久賀理世さんの「ふりむけばそこにいる 奇譚蒐集家 小泉八雲」という小説がおもしろかったので、今回「招かれざる小夜啼鳥は死を呼ぶ花嫁 ガーランド王国秘話」という小説を手にとってみました。今回も物語の世界観や描写が綺麗なのかなと期待しています。
招かれざる小夜啼鳥は死を呼ぶ花嫁 ガーランド王国秘話 感想
私の思ったとおり、描写が綺麗で美しくてよかったです。登場人物たちも凛とした人々が多くて読みやすかったです。コバルト文庫の少女小説という分類は久しぶりに読みましたね。人事不省(じんじふしょう)とか熾火(おきび)とか最近のコバルト文庫は難しい言葉も使っちゃうんですね。
対象年齢は何歳なんでしょうか?このお話は結構、政治的にもしっかりしていますし、世界の背景が丁寧に描かれていて好感が持てます。ただのきゃっきゃうふふの恋物語じゃないですから、大人も楽しめました。
※以下、少しだけネタバレを含む感想です
色の名称
榛(はしばみ)色って何色?黄色味がかった薄茶色って感じなんでしょうか?綺麗な響きですが、なじみがないのが残念ですね。もっと和風な色の名前を普及させて欲しい物ですよね。せっかく美しい響きを持っているのにって思っちゃいますね。浅葱色とか若草色とか鶯色、亜麻色、萌黄色、樺色とか、どんどん普通に使われる色の名称になるといいですよね。
ストイックな恋心
お互いのことを想いあっているのに、すれ違う恋心、もどかしい恋って感じでしたね。まぁ端から見れば相思相愛なことはばればれなんですが、お互いだけが気付いていないというお決まりのシチュエーションです。
まぁ最後は恋愛的にもハッピーエンドになりますよね?というかハッピーエンドじゃなきゃ気がおさまらないですよ。ここまで焦らされて(笑)お互いの素敵な恋心が実りますようにと思いながら読んでいました。
綺麗な物語でした
あの人はきっと悪い人だと見せかけて、きっといい人だと睨んでおります。そして絶対にこっちの人の方が悪い人ですよね?行っちゃダメ!!ということで私の予想が当たっていて満足です。最近、小説を読んでいて騙された!!ってことがない思考回路になってしまった大人な自分が残念です(笑)小気味よく、騙された!!楽しかった!!って言いたいですね。
でも物語全体の印象としては、とても満足できるものでした。個人的には、もうちょっとグレンダさんががんばっているところとか見てみたかったですね。