瀬川貴次

百鬼一歌2巻 都大路の首なし武者 感想

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百鬼一歌 都大路の首なし武者 (講談社タイガ)

 

あれ?すっかり百鬼一歌のお話を忘れていますね。本当にかなり忘れていて、自分でもびっくりしてしまいました。ちょっと頼りない希家(まれいえ)くんと、元気いっぱいの陽羽(ひわ)ちゃんが活躍するお話でしたよね。でも詳細はすっかり忘れています。

 

今までのおさらいはこちらから

百鬼一歌1巻 月下の死美女 感想

 

百鬼一歌2巻 都大路の首なし武者 感想

すっかり1巻の話を忘れていましたが、今回の百鬼一歌2巻の中で、ちゃんと文章で1巻のおさらいがされていたので話も思い出せました。真相を隠すことなくわかりやすく説明されていて、とても読みやくて親切でよかったです。ストレスなく自然と百鬼一歌の世界に入り込むことができました。おもしろかったです。

 

※以下少しだけネタバレを含む感想です

 

鎌倉時代よりの平安時代

とてもおもしろかったです。木曽の義仲や山吹、巴御前、頼朝の話が出てくるとはびっくりです。時代的には鎌倉時代に近い平安時代の終わりぐらいなんだなということがわかりますね。平首なし武者の亡霊から始まった物語がきれいにまとまり、またかつ物語的にもとてもよいまとまり方でよかったです。

 

 

ただし希家くんが全然主人公っぽくなかったんですけどね(笑)怨霊を怖がったり、女性の前でたじたじしたり、でも最後だけはちょっと歌人の感性を発揮できてかっこよかったですね。見せ場があってよかったです。

 

 

式子内親王 

式子内親王は「しきしないしんのう」って子どもの頃から百人一首の札に書いてあったのでそう読んでましたが、「のりこ」という読み方もあるんですね。初めて知りました。「玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば忍ぶることの弱りもぞする」は有名は百人一首ですね。

 

 

私でも、そらで言える句ですね。あと上の句と下の句がスムーズに出る唄ですね。式子内親王さんはおっとり系の年上でさんで見ていて穏やかでいいですね。希家くんといい感じになって欲しい気もしますが、希家くんと陽羽ちゃんのカップリングも捨てがたいですね。

 

 

寂漣兄上

年下の陽羽ちゃんに頼っちゃう希家くんってどうなのと思いつつも、頼りになる陽羽ちゃんと寂漣さんでした。寂漣さんが最高にかっこいいですね。陽羽ちゃんを抱えて敵の攻撃を避けたり、知力だけじゃなく武力もあって、希家くんより主人公していますね(笑)1巻で怖い裏の人かと思いきや、本当は心根の優しい人みたいですしね。根っからの悪人ならよかったのに(?)憎めないどころか、最高に素敵なキャラになっています。

 

 

百鬼一歌3巻も楽しみ

希家くん、がんばれ!!主人公の座が危ないぞ!!兄上にとられちゃうぞ!!ということで百鬼一歌3巻も楽しみにしています。やはりこの物語の鍵は寂漣兄上ですよね。中宮さんとの恋関係も気になるところです。1巻より人物像がはっきりキャラ付けされていて、1巻より2巻の方がキャラに愛着が湧き、理解度も深まりました。楽しかったです。続編が待ち遠しいです。