織守きょうや

世界の終わりと始まりの不完全な処遇 感想

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世界の終わりと始まりの不完全な処遇

 

「世界の終わりと始まりの不完全な処遇」という小説を読みました。ふだん作者さん買いをしている小説は、楽しみが半減されちゃうので、あらすじはあえて読まないようにしています。なので今回のこのお話は題名から勝手に青春物かと思っていました。なんと驚くことに吸血鬼物でした!!びっくりしましたが、そういうダークな世界観が好きなのでよかったです。

 

世界の終わりと始まりの不完全な処遇 感想

おもしろかったです。ちょっと誰の台詞かわかりづらいところはありましたが、おおむね文章も読みやすかったです。初恋の行方や犯人の正体や秘密などがあって続きが気になって、あっという間に読めてしまいました。そして絶対、織守きょうやさんは男女の恋愛物より、男性同士の友情物語をメインに書いた方がいいと思うんですよね。

 

 

今回も花村遠野と朱里アウトーリより、花村遠野と辻宮朔メインとか、ユエとロウの2人組みとかで書いた方がおもしろかったような気がします。ぜひスピンオフ的な話を希望します!!辻宮朔のキャラクターがとても気に入りました。

 

※以下、割とネタバレを含む感想です

 

花村遠野の初恋の相手は小さい朱里ちゃんの方ですよね?彼女の方がお姉ちゃんだよね?彼女も吸血種?最初は実は女の子だと思っていたら初恋の相手は男の子だった系かと思ったら違いましたね。

 

 

美麗イラストが見たい

辻宮朔くんのイラストも見てみたかったですね。というか登場人物善全員のビジュアルを見たかったです。美男美女揃いなんでしょうね。眼福物ですね。

 

 

主人公の性格が

ちょっぴり主人公が変態チックですが、まぁ一途だと思えば聞こえはいいですが、一歩間違えればなんだかなぁですね。ひたむきなのはいいですが、ちょっと打算的過ぎるのは好感度下がっちゃいます。たまに感情移入できなくて嫌悪感が出ちゃいますね。

 

 

連続殺人事件と吸血種

朔は遠野のことが好きだよね。朔がユエ?それとも朔が連続殺人事件の犯人?それとも犯人はひとりじゃない?複数犯?それとも犯人は人間じゃない?犬?なんて考えながら小説を読んでいました。私はいつも物語りの先や結末を予想しながら読書をするタイプの人間です。っていうか皆そうやって読書するもんだと思っていました(笑)

 

 

今回は私の予想がおおむね当たっていてうれしかったです。もし自分が小説家ならこういうストーリーにするなって思いながら読むのが好きで、さらに話がそうなっているととてもうれしいです。

 

 

ただ一番最後はなんでそれをやっちゃったかって気はしますけどね。そこは吸血種にならなくて普通の人間のままでよかったんじゃないかなという気はしますけどね。あと久住綾女さんも最後にはなんかガツンとあると期待していただけに残念です。それと意外に後半は碧生が空気でかわいそうでしたね。遠野の初恋の相手が朱里か碧生か、というためだけに存在していたような気がしてもうちょっと彼女に活躍の場を与えてあげて欲しかったですね。

 

 

吸血種の生態と能力の定義

それよりも一番気になるのはどうやって朔は復活したの???自力で?何時間も経ったあとにどうやって?その説明があるのかと期待していたら普通にスルーされちゃっていてびっくりですよ。司法解剖とかどうやってクリアしたの???

 

 

ロウが助けてくれたの?意味不明すぎてそこだけは納得できる説明が欲しかったですね。もう自分では切り落とせませんし、時間が経っていますし、本当にどうやったんでしょうか?そして遠野の絵がうまいスキルも特に生かされていなくて残念でした。というか朱里のためにしか使われていませんでしたね。

 

 

続編希望

私なら朔と朱里なら絶対に朔の肩を持ちたい!!というわけで、ぜひ続編を希望します。ユエが主人公の物語を読んでみたいです。彼の過去がすごく気になります。続編の舞台としては、違う時代でも違う国でもなんでもいけちゃいそうでいいですよね。中世の外国とかよさそうですよね。