白に続いて黒バージョンも読みました。今度は好きな作家さんが3人も参加されていてうれしかったです。アンソロジー(オムニバス?)って実はちょっと苦手なんですよね。大好きな作家さんばっかりだとうれしいんですけど、そうじゃないと悲しいです。それと読書途中で盛り上上がってきたテンションが止まっちゃうというか、そういう意味では短編集もちょっと苦手だったりします。
白バージョンの感想はこちらから
■謎の館へようこそ「白」新本格30周年記念アンソロジー 感想
アンソロジー
アンソロジーは苦手です。でも新しい作家さんとの出会いもあるんで、その辺は期待したいです。読み終わったあと、この本を読んでよかったと思わせて欲しいですね。今回は6人の作家さんのお話です。どのお話も館にまつわるミステリのようです。
※以下少しだけネタバレを含む感想です
思い出の館のショウシツ
はやみねかおるさん。「思い出の館のショウシツ」まさかの「ディリュージョン社の提供でお送りします」のキャラのお話なんですね。この話、主人公が壊滅的に私に合わなくてイライラしちゃった小説なんですよね。この作品を冒頭に持ってきてこの「黒」バージョンは大丈夫なの?と心配になってきちゃいました。でもまぁ森永美月ちゃんが嫌いでも読んでみましょうかって感じで読みました。そして案の定、冒頭からイライラさせられ る会話だなぁって感じです。手塚さんの頭頂部が薄くなったり、心労で倒れたりしないか心配です。
意外に事件の謎はそうなのかって、「ディリュージョン社の提供でお送りします」を読んでいるとさもありなんで納得です。でもなによりこの物語で1番びっくりしたのは最後の響子ちゃんですよ!!こんなところに響子ちゃんが出てくるなんて!!虹北恭助!!ってこのアンソロジーはやっぱり同じ作者さんのいろんな本を読んでいないと全く楽しめない仕様にになっているのが残念です。知っていれば、にやってしちゃいますが、知らないと意味不明なのが本当にもったいないですね。そしてこの話は館って関係あったのかな?って思っちゃいました。
はやみねかおるさんの小説の感想
麦の海に浮かぶ檻
恩田陸さん。題名を見ると「麦の海に浮かぶ檻」あれ?麦の海ってもしかして理瀬ちゃんシリーズ1冊目の「麦の海に沈む果実」と関係ありますか?ありますよね?という感じで読み進めていきました。作者が大好きで作品にも触れている私のような人にはうれしいんですけど、初めてこのアンソロジー(オムニバス?)で読んだ人にはちんぷんかんぷんですよね?楽しめませんよね。事件の謎よりは人物に驚きがあるお話でしたね。だからそうなっちゃたのねと。そしてどうやってそこまでの地位に、のし上がれたの?ぜひその辺の詳しい話が知りたいので小説にして欲しいですね。本当にこの人はどうやったらそうなれたの?そこが1番知りたいです。そしてこの物語も館ミステリという感じはしませんでしたね。
自分的には納得できるお話でおもしろかったですが、この話を初めて読む人には何の話だかさっぱりわからなかったと思います。そしてはやく理瀬ちゃんシリーズの最新作が読みたいです。
恩田陸さんの小説の感想
■七月に流れる花 感想 直木賞受賞作家の恩田陸さんが描くおすすめミステリーランド
QED~ortus~―鬼神の社―
QEDは安定のタタルさんと奈々ちゃんの歴史ミステリでしたね。節分の話はこれまでにもQEDシリーズで読んできたので、そうだよね、なんて相槌を打ちながら読んでいました。でもこれまたシリーズを知らない人にとっては楽しめたんだろうかと疑問に思っちゃいましたけどね。歴史の謎的にはおもしろかったと思いますけど、キャラの把握としてはどうだったんでしょうね。QED入門としてはよかったと思います。QEDに興味を持てた人もいるんじゃないかなと思います。私がもし初めてここでQEDシリーズに触れていたら、他の本も読んでみようと思ったと思います。でももうう私はQEDシリーズを知っていますし、QEDシリーズが大好きなのでいつものごとく、すごく楽しかったし、歴史の謎に納得して感心しました。話の長さ的もこれぐらいだと読みやすいですね。でも全く「館」にまつわるミステリではなかったですね。
ところで横浜の話は何だったんでしょうか?タタルさんと奈々ちゃん姉妹が小さい頃に会っているってお話ですか?それはいつ読めるんでしょうか?楽しみにしています。今回のQEDは奈々ちゃんの眼鏡のお話があったんで、この前の白山の頻闇QEDの短編小説より少し前のお話だったんですよね?そして急に時代考証が気になってきちゃいました。QEDは年代的には今より、ちょっと前のお話ですよね。さらに奈々ちゃんたちが大学生って言ったら、さらに時代がさかのぼりますよね。携帯電話もない時代ですよね?ポケベル?そんな時に奈々ちゃんが「イケメン」なんて発言できるわけがないですよね?私も詳しくは知りませんが、強いて言うなら「ソース顔」とか「しょうゆ顔」の時代なんでしょうか?それともそれより前?それより前はなんて言っていたんでしょうか?かっこいい人?美丈夫?まぁイケメンではないと思うんですよね(笑)
高田崇史さんの小説の感想
綾崎隼さんの小説の感想
囚人館の悲劇
井上真偽さん。「囚人館の悲劇」ちなみちゃん。このお話はもしかして「探偵が早すぎる(上)」の小説にちょい役で出来てた幼い兄妹かな?と思ったら妹ちゃんは高校生って言ってますね。時間が出来たから探偵は早すぎるの小説を確認してみようと思います。なんか気になります。
誰が犯人?どうやってやったのって引き込まれる内容でした。そして真相ってこうだったのと思いかけた瞬間、急に途中からホラーって展開になって何がどうなったの?ってびっくりして混乱しました。ですが、最後は涙が溢れる切ない物語でした。このアンソロジーの中で初めて涙しちゃいました。切なくて悲しくて辛い物語でしたが、後読感がよかったです。このアンソロジーの中で1番満足できる作品でした。伏線がちゃんと回収されて納得でる展開になっていて脱帽です。ということで今回の兄妹は「探偵が早すぎる(上)」には関係ない兄妹だったのかなと思います。「ちなみ」ちゃんという響きはまたべつの作家さんの作品の登場人物だったのかもしれません。今確認してみたら「探偵が早すぎる(上)」の兄妹は透くんと乃亜ちゃんでした。ところで、この話のお兄さんの下の名前って出てきましたっけ?
井上真偽さんの小説の感想
謎の館へようこそ「黒」最後に
黒バージョンの方は、作家さんのファンじゃないと楽しめないような内容が多目かなと思ってしまいましたね。既存のシリーズを知っていると楽しめるのではなく、知らないと楽しめないといった印象を受けました。そこだけは残念でしたね。でもどの作品も楽しめてよかったです。話の順番的にはこの並びで正解だったような気がします。最後に井上真偽さんの小説が読めてでよかったです。読んでよかったと思える最後でした。
関連記事
■謎の館へようこそ「白」新本格30周年記念アンソロジー 感想