榎田ユウリ

この春、とうに死んでるあなたを探して 感想

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この春、とうに死んでるあなたを探して (単行本)

 

榎田ユウリさんのカブキブという高校生が歌舞伎をする楽しいお話が終わり、とても残念に思っていました。そんな中で新刊の情報が手に入ってすごくうれしかったです。題名から想像すると、ちょっと悲しいお話でミステリ寄りかなと予想していました。

 

この春、とうに死んでるあなたを探して 感想

同級生が再会して3人で楽しくやる話かと思ったら、違いましたね。同級生3人で謎を解いたり、悪人を撃退する話だと思っちゃいましたよ。さらにいつもより登場人物の年齢が高かったですが、読みやすく、また感情移入も出来ました。そして続きが気になってどんどん読み進められました。そういう楽しいだけのお話も読みたいですね。でもいつもの榎田ユウリさんのお話よりは、心が重く苦しくならずに読めました。物語の謎や秘密もだいたい私の予想も当たっていましたしね。先生の××の相手や、主人公の電話の相手など予想通りでした。でも最後までわからなかった!!騙された!!みたいな気持ちにもなってみたかったですね(笑)最近そういう物には騙されない大人になってしまいました(笑)純粋で純真な心の方がより驚きがあって楽しかったのかもしれませんね。

 

※以下、少しだけネタバレを含む感想です

 

ちったんちゃんは妄想とかの精神的な病気かな?というのは当たっていましたね。でも彼女は根本的な解決が何もなされていなくて、ちょっと悲しかったです。彼女にも何かしらの区切りを与えて欲しかったです。

 

 

人間の心とは

文月先生がしていた悪いことは予想がつく内容でしたね。主人公も実は妄想で電話してるのかな?ぶんこのスマホって自分でかけてるんだよね?彼女ももうこの×にはいないのかなとと小説の冒頭で予想したことも、そのいなくなり方も当たっていました。この物語は結構人が××しているのが悲しいですね。しかも残された方の心には、もやもやだけが募ってしまうというやりきれない気持ちでいっぱいですね。何かしら遺族に納得できる何かがあるといいのになと思ってしまいました。

 

 

残念なイケメンにも種類がある

p229で矢口くんがぶつぶつ言ったことになって暖房器具を運んでいるけど、そこは小日向だよね???ジョガーって何?初めて聞きました。どうやらジョギングする人のことをそう言うらしいです。それにしても小日向くんの残念なイケメンぶりさんが遺憾なく発揮されている物語でしたね。あぁこういう人、本当に現実にいそうって感じでした。でも彼は彼で大変だったんですね。他人の気持ちが理解できないというのも、それはそれで辛いようですね。

 

 

日常と心の闇

そしてよく考えたら邑さんは別に何も抱えていませんでしたね。彼には心の闇はなかったんでしょうか?初登場のインパクトは絶大だったんですけどね(笑)同級生3人で謎を解いたり、悪人を撃退する話だと思っちゃいましたよ。全体的に物語はよくまとまっていたようで、何も解決していない気もしますね。でも人生ってそんなもんでしょって言われたらそうなのかもしれませんね。矢口(島谷)くんと小日向くんがこれからも楽しく生きていけますようにという感じですね。あと大人になるってなんだろうと考えさせられるお話でしたね。