私の中で小説家の瀬川貴次さんと言えば、平安時代と妖怪系の不思議な話という印象が強いです。今回の小説もそんな雰囲気でよい感じです。主人公は「ばけもの好む中将」の中将さんと宗孝さんの間を取ったような性格でしょうか?ちょっと変わった感じで、ちょっと鈍い人という感じでしょうか?害がなく覇気がない親しみやすい男性という感じに思えました。
2巻以降の感想はこちらから
おもしろかった
おもしろかったです。ストーリーもおおっ!!と感心したり驚いたり気になるところがあったり、政治的にうごめくところがあったりでよかったです。やっぱり最後はそうなのねという納得と驚きと、どうしてそうなったの?何があったの?とか今後どうなるの?という続きが気になる感じで終わっていました。小悦の表紙に1巻とか書いてなかったんですけど、続き物ですよね?続きを楽しみにしています。
※以下少しだけネタバレを含む感想です
百鬼一歌・月下の死美女がとてもおもしろかったです。最初のお話のワンパターン形式で行くのかと思ったら、違いましたね。主人公が意図せず難事件を解決していく1話完結型の小説かと思ったら、物語が進んでいきました。主人公希家(まれいえ)と陽羽(ひわ)ちゃんのコンビがよかったです。もう少し難を言えば、希家くんが、もっとかっこよく活躍してくれるとうれしかったですけどね。最後のあの場面で、もうちょっと彼の見せ場があってもよかったんじゃないかな、とそこだけが少し残念です。陽羽ちゃんの力になってくれるのかなと思ったんですけどね。もう少し男らしさを見せて欲しかったです。
平安時代
このお話は平安時代かと思っていましたが、源平合戦の後ですね。この時代って何時代って言うんでしたっけ?それでもまだ平安時代?鎌倉時代?とも思いましたが、まだ平安時代ですかね。そう思うと平安時代って結構長いですね。794鳴くようぐいす平安京から1185年までみたいですね。710なんと綺麗な平城京は奈良時代なんですね。こっちも平安時代だと思っていました。都を移しただけかと思っていたら年号(時代)も替わっていたんですね。ちょっと新鮮な驚きです。今まで深く考えたことがなかったです。
貴族と庶民の暮らし
武将たちが戦っていても、雅な貴族たちは京の都でふつうに生活しているんですよね。平安時代って、ついつい貴族しか人間がいない気がしてしまいますが、そう思うと庶民も普通に暮らしているんですよね。ふつうに食物を栽培してご飯食べて、何気ない日々の暮らしが行われているんですよね。でもこの時代の京都の人ではない庶民がどのように暮らしていたか、とかの詳しい資料を見たことがないのでますます不思議です。貴族が住んでいる屋敷や着物、食器などを作っていた職人たちがいると思うとまた不思議でなりません。どういう仕組みだったんでしょうかね。考えれば考えるほど世の中って不思議でいっぱいです。
嫉妬や陰謀と忍ぶ恋
安徳天皇の母、徳子さんのふりがなが「とくこ」じゃなくて「のりこ」でしたね。自分は「とくこ」で学校で習った気がするのでなんかむずがゆいです。百鬼一歌はシリーズ化されることを祈っています。ということで2巻は発売されますよね?楽しみに待っています。やっぱり宮中(後宮)で繰り広げられる女性の嫉妬や陰謀と政治的な駆け引きと、秘めたる忍ぶ恋もこれから複雑に絡み合っていくのでしょうか?とても楽しみです。
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