タイムリーな話題でびっくりです。恩田陸さんが『蜜蜂と遠雷』で直木賞を受賞されたんですね。おめでとうございます。「六番目の小夜子」からずっとファンです。「麦の海に沈む果実」「黄昏の百合の骨」「黒と茶の幻想」「三月は深き紅の淵」などの理瀬ちゃんシリーズが大好きです。
「蛇行する川のほとり」の少女たちの雰囲気も好きですし、ただ歩くだけなのにおもしろいと思わせる「夜のピクニック」もよかったです。六番目の小夜子の秋(しゅう)くんたちの家族がちょこちょこ出てくる短編も好きです。「MAZE」「ユージニア」「チョコレートコスモス」「ネクロポリス」「夢違」もおもしろくておすすめです。と語りだしたら恩田陸さんの小説の話はつきません。でもまだ『蜜蜂と遠雷』は読んでないので、これから読もうと思います。俄然楽しみになってきました。
「七月に流れる花」の感想
と話を元に戻して、「七月に流れる花」の感想です。「八月は冷たい城」の本とセットのお話です。上下巻といってもいいと思います。まず「緑色の人間って何!?」と冒頭から引き込まれました。ホラーな展開?それとも宇宙人???「みどりお…?」緑鬼?全く何が起きているかわからない。主人公と読者とが同じ目線で物語を見ることができます。今はどういう状況なの?これから何が起こるの?なぜ?どうして?の疑問ばかりです。これがきちんと納得いく状況で物語が収束するんでしょうか。楽しみです。ホラー展開なのか、少し不思議なファンタジーでミステリな話なのか楽しみです。
※以下、ネタバレは含まない程度の感想です。
自分だけ別世界に迷い込んでしまったような恐怖が!!
読み終わりました。すごくよかったです。確かにこの物語はこの手法で書かれるからいいのかもしれません。始めに理由を知っちゃうとおもしろくないですね。ちょっと共感部分はそういう意味では薄いですが、おもしろかったです。謎が明かされた後の最後は切なく、よかったです。「八月は冷たい城」の方とはどういう関係なんでしょうか。「七月に流れる花」の男の子バージョンなんでしょうか。あの少年はいったい!?と、まだ少し疑問が残っているんで、それがきれいに解決されるか楽しみです。
お値段が高いよね
それにしても一応子ども向けの本なんですが、1冊のお値段が高いですよね。3000円弱というお値段。「8月は冷たい城」と2冊買うとまぁ5000円ぐらいしちゃいますよね。しかも字が大きいから200ページぐらいでも、文章量としてはちょっと物足りないし割高感満載です。ミステリーランドって子ども向けの児童書だと思っていましたが、そういう意味ではなかったんでしょうか?誰でも少年少女だったよねということだったんでしょうか?
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