アニメオタクの引きこもり天才探偵が大活躍。天才アニメオタク男子高校生探偵「裏染天馬」が謎を解くミステリシリーズの第2弾です。今回も最後の最後がよかったので、ぜひ最後までお読みください。前回も思ったんですが、誰も被害者の死を悲しんでいないってのが辛いですね。
誰かひとりでもいいので号泣して欲しいですよね。皆自分のことしか考えてなかったり、けろりとしていたり、ちょっとびっくりします。でもそういうことを描写していたらいつまで経っても謎解明には乗り出せませんから仕方ないのかなと思いますが、でもね。もうちょっとこう人間の感情をリアルに表現して欲しかったかなと。
今までのおさらいと3巻以降の感想はこちらから
■裏染天馬1巻 体育館の殺人 感想
■裏染天馬3巻 短編集 風ヶ丘五十円玉祭りの謎 感想
■裏染天馬4巻 図書館の殺人 感想
キャラと小粋なミステリ
そして裏染天馬くんが前巻にもましてダメ人間になっている気がします(笑)そして柚乃ちゃんの行動も何気にひどいですよ。そして冒頭で不思議な動きを見せる登場人物。これに意味がないと犯人扱いだぞと思っていたら意味があって安心しました(笑)
よかったよかった。あと袴田妹柚乃ちゃんの卓球の試合シーンなんて必要なのかな?って思っていましたが、一応理由があったのでまぁよしとしましょうかという感じですかね。
犯人の動機はちょっと???でしたがというか、被害者はあんなひどい殺され方をするほど犯人にひどいことをしたのかな?恨まれてたのかな?違うよね?とちょっとかわいそうでした。推理は二転三転していく謎解きで楽しかったです。
細かな描写も覚えていたほうが楽しめる小説です。容疑者が多すぎて混乱しますし、分刻みの行動スケジュールも把握するのは大変ですが、おもしろかったです。
※以下少しだけネタバレを含む感想です
刑事さんたちもがんばれ
刑事さんたちの漫才みたいな掛け合いが入っていてびっくりしました。楽しかったけど、キャラ崩壊してませんか?大丈夫ですか?そして自分たちで解決できなければ縄張りとか気にせずどんな方法でも解決しようとする姿勢は素晴らしいんですが、高校生に頼っちゃうってのは正直どうなんなんでしょう?まぁ犯人を野放しにするよりは、はやくみつけるに越したことはないですけどね。でも警察もがんばれ!!
まだまだ知らない言い回し
p171のシャッポを脱いだってなんでしょう?ファッション?って思って調べてみたら降参するって意味みたいです。シャッポってフランス語で帽子って意味なんですって。まだまだ自分の知らない言い回しとかあるんですよね。小説を読むたびに勉強になります。シャッポを脱ぐの意味を今回この小説で学びました。
裏染天馬くんの妹ちゃん、初登場です。ちょっと想像していた感じと違いましたが、まぁこれはこれでかなりのインパクトです。
タイトルの名称はネタ?
よく見たら第1章の名前が「夏と丸美と私と死体」って乙一さんの「夏と花火と私の死体」のオマージュ?リスペクト?になっている気がします。ということは他の章の題名もそうなのかな。私にはピンとくるものはありませんでしたが、気付ける人は楽しいんだろうなぁ。
そして小見出しみたいなのもドラマの題名とかをもじってありそうな気がします。それはいくつか元ネタがわかって楽しかったんですけどね。もしかしたら、前巻の体育館の殺人もそうなっていたんでしょうか?また時間が出来たら確認したいと思います。
ハーメルンの笛吹き。続くときは続く。
ハーメルンの笛吹きの話がたまたま読んだ小説に立て続けに出来てびっくりしました。5月に読んだ本の中でこれで3回目です。すごい偶然に自分でびっくりしました。ちなみに「天と地の方程式3」と「美少年探偵団3」とこの小説「水族館の殺人」です。
こういうのって続けてあるもんですよね。シュレディンガーの猫の話ばっかりにあたったり、CERNの話ばっかりがでてきたりと、これって何なんでしょうね。目に見えない何かにひかれているんでしょうか?
裏染家の秘密と謎
そして裏染家にはいろいろ謎がありそうでそこも気になります。柚乃ちゃん視点で読んでいるので天馬と香織ちゃんの関係にちょっと嫉妬しちゃいます。実際のところはどうかわかりませんが、幼馴染みっていう間柄は最強だと思います。柚乃ちゃんがんばれ!!
関連記事
■裏染天馬3巻短編集 風ヶ丘五十円玉祭りの謎 感想