作者さんが現役の弁護士さんというだけのことはあって、またまた職業弁護士さんの登場です。でも今回は弁護士さんが主役ではないですね。物語を読んでいくうちに、なんで「ただし、無音に限り」という題名になったのか理解できました。あぁそういうことなのねと納得できました。
でも表紙の写真?の女性?にどんな意味があるのかさっぱりわかりませんでした。主人公は男の人だし、幽霊も男の人でしたしね。表紙は探偵さんとか幽霊のイラストとかでもよかったんじゃないかなと思いました。
ただし、無音に限り 感想
ドラマティックな展開とか、手に汗握る躍動感溢れる展開とかはなく、淡々と物語りは進んで行きます。織守きょうやさんの他の作品のような人間の内面の怖さはそれほどなく、読みやすかったです。
※以下、少しだけネタバレを含む感想です
楓くんがいいキャラクターでした。やっぱりこの作者さんは男性のキャラを魅力的に描き出しますよね。今後、羽澄楓くんがちゃんと探偵の天野春近さんの助手として昇格して欲しいですね。2話目もちゃんと登場していてうれしかったです。ところで1話目の学校の依頼は解決したんでしょうか?
霊能探偵ではない
幽霊物ということでしたが、派手に霊能力を使った探偵ということでもなかったので、ちょっと物足りなかったです。まぁ幽霊と会話できて事件の犯人とか教えてもらえちゃったら、物語はすぐ終わってしまいますからね。謎解きもそれほどびっくりすることとかもなく、多分こういう感じだよねと読み手の予想したとおりに進んでいった感じですね。
続編にも期待
今後の展開としては楓くんとコンビを組んで探偵業を続けていって欲しいですね。というかもっと楓くんに相談しちゃえばいいのにと思ってしまいましたね。そしてもっと助言してもらえれば事件早期解決ですよね。守秘義務って難しいですね。
でも警察物のドラマとかって家族に普通に事件内容を話してしまっている物語が多くてびっくりしますよね。いいの?プライバシーとか守秘義務は?って思っていたのでやっぱりそういうことは大事ですよね。
楓くんが高校生ぐらいになって、形の上だけでもアルバイト(でも雇い主?)みたいな感じになって彼に相談できるといいですね。というわけでぜひ「ただし、無音に限り」もシリーズ化して欲しいですね。できるならばもうちょっと胸がすく心踊る解決シーンとかも見たいですね。
個人的には幽霊物といえば、織守きょうやさんの他の小説である「幽霊鑑定」の続きを待っています。絶対3巻が出そうな雰囲気で終わっていたのに、続刊が出る気配がないんですよね。新キャラもいい感じだったので期待しています。