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地獄くらやみ花もなき1巻 感想

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地獄くらやみ花もなき (角川文庫)

 

最近、読みたい大好きな作家さんの新作小説がなかなか発売されなくて、まだ私が読んだことがない新しい作家さんを自分で開拓することにしました。そんなわけで今回は路生よるさんの「地獄くらやみ花もなき」という本を手に取ってみました。

 

まず作者さんのお名前が読めません(笑)あぁ、素直に「みちお」さんでいいんですね。路地の「ろ」だから「ろき」さんかな「ろしょう」さんかな「ろう」さんかな、なんて思っちゃいました。

2巻以降の感想はこちらから
地獄くらやみ花もなき2巻 生き人形の島 感想

地獄くらやみ花もなき 感想

新しい小説の開拓は、まず表紙のインパクトというか第一印象を重視します。自分にびびびと来るかどうか、心惹かれる感じかどうかのインスピレーションを大事にします。それから、あらずじをちらりと見て、おもしそうだなと思ったので読んでみることにしました。当たりの小説だといいなぁ。どんどん自分好みな作家さんを開拓していきたいです。

 

物語の雰囲気も内容もよかった

おもしろかったです。私にとって当たりの小説でした。新しい作家さんを開拓できて満足です。文章も読みやすかったですし、人物名も綺麗な漢字で、世界観の雰囲気も好みな物でよかったです。少しダークな世界で和風(洋館とかあるから大正時代風?)の妖怪系で美形さんたちも出てきて、謎解き要素もあって、ちょっぴりほっこりするお話でよかったです。

 

ちょっと主人公?(語り部)さんは気弱でおつむも弱い感じですが、いい人なので安心して読むことが出来ました。ぜひシリーズ化することを希望します。表紙に1巻とは書かれていませんでしたが、あとがきにそれらしい記述があったので楽しみにしています。やっぱり表紙の西條皓(さいじょうしろし)さんが主人公で、遠野青児(とおのせいじ)さんが語り部ポジションなんでしょうか?

※以下、少しネタバレを含む感想です

 

 

まさかのジャイアン理論

ジャイアニズムってドラえもんのあの「俺の物は俺の物、お前の物も俺の物」のジャイアンのこと? ジャイアンってすごい。人を呪わば穴2つと脅す西條皓さん。ということで沙織さんにはなにか起こったんでしょうか?

 

この屋敷に招かれるということは、主人公にも何か罪があるの?と気になっていた点も最後に明かされてすっきりしました。

 

漢字が綺麗

これくらいの人間の負の感情のドロドロや描写ならば鬱っぽくならずに、読んでいて大丈夫でした。全体的に登場人物さんのお名前がどの方とても綺麗で、素敵な漢字で心惹かれます。「しろし」さんというお名前もかっこいんですが、江戸っ子が「ひろし」が言えなくて「しろし」になっちゃった印象が拭えなくて、なんだかもったいないなって思っちゃいました。

 

子どもの頃に習っていた碁会所の先生が江戸っ子さんでした。いつも優しく囲碁を教えてくれたんですが、なんで「ひ」が言えなくて「し」って発音するんなんだろうって、子ども心に不思議でしようがなかったのを思い出しました。

 

魅力的なキャラ

どのキャラも魅力的で良かった。ちょっと頭の弱い主人公(語り部)くんも甘やかされキャラというも設定も斬新でよかったです。馬鹿な子ほどかわいいと言っちゃったり、頭をなでなでしたり、お小遣いをあげたりと、ほのぼのシーンが満載でよかったです。当初の助手からだんだんと格下げされてペット扱いになったのはおもしろかったです。でも愛されてる感、満載でよかったです。

 

因縁のライバル

その場面でその台詞は犯人が僕になっちゃうのでは?というしろしさんの発言が気になりました。ちょっとわかづらい決め台詞が残念ですね。一瞬なんで急に自分のこと言ってるの?になっちゃって初めてこの決め台詞が出た時も首を傾げてしまいました。

 

皓さんと凛堂棘(りんどうおどろ)さんこの2人は初対面なのね!?因縁のライバルというから何百年も前から競い合っていた顔見知りだと思っていたら違うんですね。ちょっとびっくりしました。虎の天敵って象なの?逆じゃないの?それは初耳でした。勉強になりました。

 

続編希望

青児といると笑ってくれる友人が、過去にひとりだけいたというのくだりが気になりますね。あとがきに「第1巻は終わりした」とあるので続編があるんですね?期待しちゃっていいんですね。地獄くらやみ花もなきの2巻目も楽しみにしています。

 

紅子さんがどういう経緯でそのお屋敷にいるのかのお話も読みたいです。紅子さんが有能すぎて羨ましくて好きです。死を招ぶ探偵さんもまた出てきてくれるとうれしいですね。双子さんがその後どうなったのかとかの詳しいお話も知りたいです。

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