古代遺跡とミステリ好きな私としては「死者の雨 モヘンジョダロの墓標」というおもしろそうな題名に惹かれて、この小説を手に取りました。周木律さんは初めて読む作家さんです。どんな雰囲気の小説を書かれるのか楽しみです。
途中まで読んでいて、あれ?もしかしてこれはシリーズ物の途中の巻なのかな???ってなりました。表紙に書いておきましょうよ。裏表紙とかもに何も書いてないんですよね。
そんな重要な情報はひとことどこかに書いておいて欲しかったです。なんだかなぁですね。とりあえず遺跡とか殺人事件なのか呪いなのか、なんだかおもしろそうなので、最後まで読みますけどね。ちょっと釈然としない、もやもやとした気持ちに包まれております。
死者の雨 モヘンジョダロの墓標 感想
読み終わりました。文明の謎の解明はおもしろかったです。ただちょっと主人公の語り部の女性、森園アリスちゃんの性格が好きになれず、読むのが苦痛でした。あとはどうしても説明的な内容が多くて、そこは休憩しながら読みました。
それとまどろっこしく回りくどいところが気になっちゃいました。もっとさくさく進めていいよって思っちゃいました。あとは殺人事件のミステリ要素はいらなかったので、もっと考古学的な謎や秘密をどんどん解き明かしていって欲しいと思いました。ということで1作目を読もうか思案中です。
歴史の謎と殺人事件
雰囲気的には高田崇史さんのQEDシリーズのような感じです。歴史的な謎と現実の事件の解明といった感じです。あちらのヒロインの棚旗奈々ちゃんは、やさしくておだやかで素敵な大人の女性で大好きなんですけどね。
こちらのアリスちゃんは、どうも私には合わなかったのが残念です。それが1作目を読もうかどうか悩むところなんですよね。読書でわざわざ精神的に嫌な思いはしたくないんですよ。でも歴史の謎は知りたいんですよね。
そんなわけで、主人公の性格をもっと共感できる、感情移入して読める素敵な女性に変えて欲しいですね。
※以下、少しだけネタバレを含む感想です
歴史とかは謎とかはおもしろかったんですが、ちょっとそれだけで頭がいっぱいになっちゃって読むのが大変でした。あとちょっとまだるっこしくて、もっとさくさく進めていいよっていう場面が多々ありました。
その描写は必要かなという場面もありましたね。あとはなんと言っても主人公っぽい女性が、私には受け付けられなくて苦手で読みづらかったです。
勉強になる
歴史や世界の情勢や遺跡のことなんかが学べて勉強になります。調べるのは大変なんだろうなと思いました。でもちょっと主人公の女の人の性格が苦手なんですよね。打算的というか利己的というかなんというか自己中なんでしょうか?なんかずる賢い感じがしてなんか苦手ですね。嫌悪感が勝っちゃいます。
まだ冒頭なので、そのうち変わってくれたらいいなとは期待していますが、どうなんでしょうか。誰か、がつんと彼女を叱ってくれる人が現れる展開でも安心するような気がします。
本当にどの文明でも滅亡の謎って気になっちゃいますよね。未来永劫繁栄することなんてできないんでしょうか。
一石さんの能力を予想してみる
1作目を読んでいないので、一石さんという人の特殊能力がなんなのかわかりませんね。彼は何者なんでしょうか?とんでもなく頭がいい人みたいなんですけどね。サヴァン症候群とか記憶力抜群系というか1度見たり経験したものは絶対に忘れられない能力とかそんなところかなと思うんですが、私の予想は当たっているでしょか?
忘れられないって逆に脳がパンクしちゃうとか、そういう爆弾という名のカルマを抱えているとかそういうことなのかなって予想してみます。忘れられないって脳にかなりの負荷がかかっていると思うんですよね。なんか前にも漫画か小説で見たことある設定なんですよね。どの話だったのかは思い出せないんですが、やっぱり誰でもそういう設定って惹かれちゃいますよね。
ということで現実世界ではお目にかかったことがない能力ですが、物語の世界ではよく遭遇します。かなりの確率な気がしますね。やっぱり凡人と違うって魅力的なんですよね。その方が物語りも動きやすいですからね。って本当に彼はそんな能力の持ち主なんでしょうか?
恋する乙女思考
そんな一石さんは今回のお話にも関わってくるんでしょうか?彼が真の主人公なんでしょうか?そしてアリスちゃんはなぜ急に彼に対してはいい子ちゃんになっているんだ!?メアリさんに対してのあれだけのずうずうしさはどうした!?恋する乙女なんだろうか。
すごいなぁ。やっぱりこの人は恋する乙女思考ですね。自分がいいと思いたいことはすべて素敵な運命だと思っちゃう。でも一石さんが、がつんと違うと言ってくれると小気味いいですね。この鳥居はつい先日テレビで見ました。ちょっとタイムリーで驚いています。ここで殺人事件が発生って言われるとちょっともにょもにょしますね。
物語のテンポが悪い
なんかまどろっこしいですね。アリスちゃんが一石さんにいろいろ打ち明けて、手伝ってもらえば、はやいんじゃないかな?って思っちゃいますね。次の国で偶然、会っちゃうパターンなんでしょうか?
刑事さんとお別れする時、彼の薄い頭に一礼とかちょっとひどい。そこは普通にスルーしてあげようよ!!そりゃあ一般人に事件の内容をしゃべっちゃう刑事さんだけどさぁって感じですね。
お互いに情報交換しちゃえば、無駄が省けていいのにって思っちゃいますね。ほうれんそうは大事。読んでいるこっちが、もどかしいです。まだるっこしいです。この場合、守秘義務とかそういうのは別に関係ないですよね?
どうせ、いろんな国で偶然(?)出会っちゃうんでしょ?って思ってしまいますね。そしてそれに運命感じちゃうアリスちゃんという展開でしょうか?
やっぱり彼女が好きになれない
要望ではなく、義務ときたか。やっぱり私はアリスちゃんが好きになれません。かなりの自分勝手で自己中心的な人物ですよね。なんか許せませんね。そこは自分からお願いして、一石さんに助けてもらえば、かわいいのに。
博士とどういう関係なんだ!!義務としてしゃべれ!!ってなんて傲慢なんでしょうか。警察の取り調べより、支離滅裂でひどくないか?そしてなぜ一石さんに謝らせるの!!
怪しいのは誰?
そににしてもコウ博士も怪しいですよね。妹のこと隠してるとか。でも一人っ子政策なら仕方ないのかな。でも一石とコウの会話をアリスだって聞いているのに、不自然すぎるんですけど。彼らは頭がいいんですよね???もうこの世にはいないってことなら、それはそれで教えて欲しいですしね。
腑に落ちないですね。何か裏がありそです。妹「たち」って言ってたのも気になります。中国人がそんなに兄弟がいたら問題ですよね?でもお金を払えば大丈夫なんでしたっけ?というかもうアメリカ国籍なら関係ないんでしょうか?
ダイイングメッセージ
ダイイングメッセージで複雑な暗号を考えられる時間があったのなら、誰かに助けを求められなかったんだろうかと思っちゃいますね。しかもダイイングメッセージならば、誰かが解読してくれないといけないわけですし、大変ですね
。死に行く間際の薄れゆく意識の中で、よくこれだけのことができたなって感心しちゃいます。特定の人といつもその暗号をやりとりしていれば別ですけどね。真相はどうなんでしょうか。
途中からメアリさんがめちゃめちゃ怪しいんですけど、どうなっちゃうんでしょうか。それともミスリードでしょうか?
守らなければならない秘密
人を消してまで守りたい秘密ってなんなんでしょうか?大抵世界がひっくりかえるかもしれない秘密というものが流出しても信じない人は信じないから、それほど世界に影響を与えるとは思えないんですけどね。本当のところはどうなんでしょうか。
逆にそうまでして隠蔽しようとしたことが世間の明るみに出たら、実はすごい秘密が眉唾じゃなくて真実なんじゃない?ってことになるので、組織的に何かするんじゃなくて放っておくのが正解だったんじゃないのかなって思えちゃいますね。
パシフィックビーズ
パシフィックビース?ってとんぼ玉のことなんですか?石とか貝のビーズで作ったネックレスのようなアクセサリーって思っておいたらいいのかな?
謎解き
そんなこんなで最後の文明的な謎はおもしろかったです。殺人事件の方はまぁ別にという感じでしたが、古代遺跡関連の推敲は楽しかったです。ぜひこの路線を突き詰めて続きが出ることを願っています。
ただ、主人公の性格をもっと共感できる、感情移入して読める素敵な女性に変えて欲しいですね。それを切に願います。